N様邸 ベランダ床防水工事 コメントする / By arte / 2023年9月18日 既存のベランダ床防水はFRP防水というプラスチックの様な防水です。 ガラス繊維のマットにプラスチック樹脂を含侵させ固めています。 この防水は強度がありカチカチな感じですが古くなると 床の下地からFRP防水が浮き上がり木の床に船が乗っかているような感じになったり 木下地の突き付け部分の動きが大きい場合はひび割れを起こします。 木下地に直接防水加工してあるのでひび割れや穴が開くとダイレクトに下部へ漏水します。 N様邸の既存のFRP防水は穴が開いていたり防水層の保護材(トップコート塗装)は剥がれて 防水層のガラス繊維が表面に出ていました。 防水の下地は木下地になっておりますがベランダ笠木からの長年の漏水で床の下地が一部腐食が酷く抜けそうになっておりました。 以上の事から通常は防水を交換するのと下地を作り直す必要がありましたが私の責任の上、交換しないで上から新たに防水を被せる方法で修繕をします。 既存FRP防水の穴あき 既存FRP防水のサッシ取り合い不良部 既存FRP防水の排水廻り不良個所 水たまり 上記以外に防水層の浮きや下地の腐食があります。 この状態の上から新規防水を被せるための下地造りをします。 先ずは既存防水層の表面を研磨し下地材が密着しやすいようにします。 立上げ部は新規防水が直接接着するため専用の下地材を塗り付けます・ 黒線矢印に下地材を塗り付けてあります。 土間には厚さ25mmのコンパネを打ち付けます。 これで新規防水用の下地が完成しました。 新規防水に選んだのはウレタンゴムの通気緩衝工法です。 接着面に湿気の通り道がある防水シートを貼り込み、その上からウレタンゴム層を付ける工法になります。 下記は防水層の仕様書になります。 これを選択したのは木下地に湿気を含んでいるので新規防水層が湿気の影響で 膨らんでしまう可能性が多少なりにある事と下地の腐食と上から増し張りした下地の動きが大きく出る可能性を考え 湿気を逃がす工法でシートとウレタン塗膜の複合防水で下地の動きにも強いと考え此方を選びました。 下地全体に接着用の専用材料を塗り付け通気防水シートを貼り込みます。 シートの繋ぎ目は専用ジョイントテープを貼り全体をしっかり圧着させます。 淵廻りはシーリングを充填します。 次に立上げ部と土間との取り合い(動きが多く出る部分) に補強クロスをウレタン塗膜防水材を塗り込んで貼り付けていきます。 補強クロスを貼り終えたらウレタン塗膜防水材が硬化し次第、数回塗り重ねていきます。 立上げ部は塗膜防水材の厚みを付けにくいので数回塗り付け しっかりした厚みが付いたらOKです。 次は先ほどの立上げと土間は1回目となるウレタン塗膜防水材を流していきます。 厚みは3mm程度あります。 土間の一回目の防水層が硬化したら(一日後)立上げと土間の2回目を流していきます。 プラス3mm程度で計6mm程の厚みになります。防水シートまで含むと7mm厚程です。 これで防水層は完成です。次の日防水層が硬化ししっかり固まりましたら防水層の保護材トップコートを塗ります。 トップコートの色味は外壁のこげ茶にマッチするダークブランにしました。 下地にコンパネを貼り足したので腐食部床の抜けそうだった感じは全く無くなり見違えりましたね。 元々排水溝にゴミなどを流れなくするストレーナーが付いていなかったので・・・ 新しいストレーナーをサービスで付けさせて頂き完成です。